野山に入るときは、ダニが媒介する感染症( 日本紅斑熱、つつが虫病、 重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、 ダニ媒介脳炎 )に注意しましょう! 注目

日本紅斑熱・つつが虫病・重症熱性血小板減少症候群(SFTS)、ダニ媒介脳炎に注意
~ 野山に入るときはダニに刺されないよう、肌を出さない服装で ~


 島根県では、ほぼ毎年「日本紅斑熱」や「つつが虫病」、「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)」の患者発生報告があります。    
   2025年は日本紅斑熱の患者数が過去最大となりました。特に10月の
患者数は毎年多くなっています。
「日本紅斑熱」や「つつが虫病」は、病原体を持ったダニに刺されること
よって感染する病気ですので、予防は大変重要です。
また、感染・発症した場合にはテトラサイクリン系の薬剤で治療できる病気
ですが、重症化することもあるので、早期診断が大切です。
日本紅斑熱とつつが虫病とは、こんな病気です
 日本紅斑熱(病原体名:リケッチア・ジャポニカ)と つつが虫病(病原体名:オリエンティア・ツツガムシ)は、「感染症の予防及び患者に対する医療に関する法律」の四類感染症に指定 されています。島根県では、毎年、日本紅斑熱とつつが虫病の患者報告があります。この2つの感染症は、いずれもダニ類が病原体を媒介する発疹を伴った熱性疾患です。
ツツガムシとマダニは、こんな虫です
つつが虫病の媒介者は、ツツガムシという非常に小さなダニの一種です。
日本紅斑熱の媒介者は、比較的目に見える大きさのマダニ類です。
ツツガムシやマダニ類は、野山、畑、河川敷等どこにでも生息していますが、それら全てが病原体を持っているわけではありません。
人は、病原体を持っているツツガムシやマダニ類に刺されることで感染します。
  
 
■ 日本紅斑熱
日本紅斑熱は、西日本各地(岐阜県を除く。)及び東日本の約半数の地域で発生が認められています。
島根県では、2020年から報告数が増加しています。
■ つつが虫病
つつが虫病は、全ての都道府県で患者発生が認められています。
島根県では、年間1~10人前後の患者発生があり、特に、県東部から西部にかけての中国山地沿いで多く認められています。
患者の発生時期
発生する時期は、病原体を媒介するダニの種類と生息(活動)時期に関係しています。
■ 日本紅斑熱
 マダニ類が活動する3月~11月に発生が見られ、特に行楽や農繁期の季節である秋(8月下旬から10月)に多く認められます。
■つつが虫病
 春(3~5月)及びツツガムシのふ化時期である秋(10~11月)から初冬(12月)にかけて多く発生が認められます。
日本紅斑熱とつつが虫病の症状
 日本紅斑熱とつつが虫病の症状はとても良く似ています。 感染してから日本紅斑熱は2~10日、つつが虫病は5日~2週間位で発症します。 発熱(高熱)や頭痛、関節痛を伴い、体幹部や手足に発疹が認められます。 また、ツツガムシやマダニ類の吸血した痕(刺し口)が認められます。
 日本紅斑熱とつつが虫病は、人から人へ感染しません。
日本紅斑熱とつつが虫病の治療方法
 テトラサイクリン系抗生物質の投薬により予後は良好です。しかし、治療が遅れると重症化し、経過も長くなることから、予防と早期診断・早期治療が大切です。
 全国的には、日本紅斑熱、つつが虫病ともに死亡例の報告があります。島根県でも、1999年4月の感染症法施行以降、つつが虫病による3例の死亡報告があります。
日本紅斑熱とつつが虫病の予防方法
 野山や畑、家の裏山等々に出かけるときは、ダニに刺されないよう次のことに注意してください。
・肌を出来るだけ出さないよう長袖、長ズボン、手袋等をしましょう。
・肌が出る部分には人用防虫スプレーを噴霧しましょう。
・地面に直接寝転んだり、腰を下ろしたりしないよう敷物をしましょう。
・帰った後はすぐに入浴し、体を良く洗い、新しい服に着替えましょう。
重症熱性血小板症候群(SFTS)とは
  重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は、2011年に初めて特定されたウイルス(SFTSウイルス)による感染症です。
 2009年以降、中国、米国で症例報告があるほか、2013年5月には、韓国でも患者発生が初めて確認されました。
 日本では、2013年1月(2012年秋に死亡)に国内で初めて患者発生が確認されていますが、その後、過去に遡って調査した結果、2005年から2012年までの間にさらに10名の方が重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に罹っていたことが確認されています。
 2013年3月4日からは、4類感染症に指定され、診断された全ての症例について、 最寄りの保健所へ直ちに届出することが義務づけられています。
 感染症発生動向調査での全国の症例のまとめが公表されています(外部サイト:国立感染症研究所感染症疫学センター)

            

病原体
  SFTSウイルス(フェニュイウイルス科バンダウイルス属)
症状
  潜伏期間は6~14日です。
 発熱はほぼ全ての症例でみられます。また、消化器症状(嘔気、嘔吐、腹痛、下痢、下血)も多く、時に、頭痛、筋肉痛、神経症状、リンパ節腫脹、出血症状などを伴います。
 血液検査では、血小板減少、白血球減少がみられます。致死率は10~30%です。死亡例は高齢者になるほど多くなります。
 SFTSの治療薬として抗ウイルス薬(ファビピラビル)の使用が承認されています。
感染経路
 (1)マダニ
  野山に生息する、SFTSウイルスを保有したフタトゲチマダニ等のマダニに刺されることで感染します。
 マダニ類は、日本の野山に広く生息しています。ダニは日本紅斑熱等のさまざまな疾患を媒介します。
 野山や畑、家の裏山などに出かけるときは、ダニに刺されないよう次のことに注意してください。
・肌を出来るだけ出さないよう長袖、長ズボン、手袋等をしましょう。
・肌が出る部分には人用防虫スプレーを噴霧しましょう。
・地面に直接寝転んだり、腰を下ろしたりしないよう敷物をしましょう。
・帰った後はすぐに入浴し、体を良く洗い、新しい服に着替えましょう。
・吸血中のマダニに気づいた際、無理に取ろうとすると、ダニの一部が皮膚内に残ってしまうこともあります。できるだけ医療機関(皮膚科)で処置してもらってください。
・マダニに咬まれた後、数週間程度は体調の変化に注意をし、発熱、食欲低下、嘔吐等の症状があった場合には、早めに医療機関を受診しましょう。
(2)イヌやネコ
 イヌやネコが、マダニに刺されることで、SFTSウイルスに感染することがあります。感染したイヌやネコの唾液や血液等に大量のウイルスが含まれており、 それらと接触することで、ヒトに感染する恐れがあります。

(3)ヒト-ヒト感染
 インフルエンザのように容易に人から人へ感染して広がるものではありませんが、日本、中国および韓国で患者血液等からの医療従事者への感染が報告されているため、 医療機関ではマスクやアイガード(ゴーグル、フェイスシールド)などの個人防護具による感染予防策が必要です。